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『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(ルパンさんせい ルパンたいクローン)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第1作。 オープニングのタイトルクレジットなど劇場公開時の題名は『ルパン三世』であったが、家庭用ビデオソフト発売の際、パッケージタイトルとして『ルパンVS複製人間』という副題がついた。 == 概要 == 日本テレビ系全国ネットで放送されていた『ルパン三世・TV第2シリーズ』(以下、『TV第2シリーズ』)の高視聴率を受け、製作費5億円をかけて製作された。ルパン三世と、自らを神と名乗る謎の人物マモーとの、賢者の石を巡る争奪戦を描く。「世界初の長編アニメビジョン」と宣伝で謳われ、作画においてビスタサイズを想定して通常より大判のセル画を用いている〔小黒祐一郎「編集長のコラム 第6回「アニメフレーム物語 (2) 2種類のビスタサイズ」 」 WEBアニメスタイル〕。 本作は「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明示されており、当時放送中だったTV第2シリーズの広い年齢層向け作風とは異なり、『ルパン三世 ・TV第1シリーズ』(以下、『TV第1シリーズ』)初期の作風に近づけるという意向が明言されていた。東宝宣伝部によると本作は『007シリーズ』のアニメ版という位置付けとし、ポスターと本編にヌードや性的表現を登場させるなど、ターゲットとする観客層は大人を想定していた。地方での同時上映作品はアガサ・クリスティ原作、ジョン・ギラーミン監督の『ナイル殺人事件』という大人向けの作品であり、こちらがメインであった。ところが、いざ公開が始まると事前の予想とは異なり、実際の観客層は『TV第2シリーズ』を視聴中の中高生が中心だった。そのため、10億円の配給収入を上げて次回作(『ルパン三世 カリオストロの城』)の製作が決定すると、ターゲットとする観客層は15~16歳中心に改められた〔「力を入れた『ルパン』の宣伝 東宝宣伝部・中村修」『アニメージュ』1980年1月号、p.33〕。 キャラクターデザインは『TV第1シリーズ』、『TV第2シリーズ』とも異なり、椛島義夫によって新たに描き起こされた。また、愛車は『TV第1シリーズ』初期で使用されていたメルセデス・ベンツSSKが採用された。 『TV第1シリーズ』のキャラクターデザイナーである大塚康生は、少し先行して製作されていた『未来少年コナン』の影響で参加が遅れて、監修・メカニックデザインとクレジットされているが本作に参加した時点で作画の80%が終わっており作画チェックの手伝いをしたのみである〔大塚康生『作画汗まみれ 増補改訂版』徳間書店、pp.171-172、180〕〔大塚康生、森遊机『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年、p.218〕。 1989年から始まったテレビスペシャルの初期4作(『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』~『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』まで)のキャラクターデザインは本作をイメージしたものである。また、本作でのルパン(赤ジャケットに黄色のネクタイ)と五ェ門の衣装設定(白系統の袴)は、以後のテレビスペシャルでもほぼ共通となっている。 後の映画作品やテレビスペシャルでは不二子以外の(ヒロインやマドンナ的な役柄の)女性キャラクターの登場がほぼ恒例となっているが、この作品には登場しない。書記長として出演した梶原一騎は製作担当の東京ムービー新社社長藤岡豊と『巨人の星』以来親交がある。エジプト警察署長として出演した三波春夫は本作品のエンディングテーマである「ルパン音頭」を歌っており、これも藤岡の指示で挿入されたものである。この一件は、経緯を承知していなかった監督の吉川惣司が降板すると言い出す騒ぎとなった〔。 本作はクローン技術をテーマにしたSF作品であり、細胞分裂の限界(テロメア参照)などクローンに関する知見を盛り込む一方で、実際のクローン技術では達成不可能な「複製人間」を登場させている。この作品が公開された1978年はイギリスで「試験管ベビー」と呼ばれる世界初の体外受精児が誕生している。このためクローンはこの年の旬のテーマとなり、本作以外にもクローン人間をテーマとした小説『ブラジルから来た少年』の映画化、ノンフィクションという触れこみの『複製人間の誕生(In His Image:the Cloning of a Man)』の刊行があった。科学ライターの金子隆一は、コピーを重ねるとゲノムが劣化する問題を扱った作品は日本のメジャー作品では珍しいと評価している〔金子隆一『図解クローン・テクノロジー』日本書院、1997年、p.122〕。 公開当時のパンフレットには、ルパンが死刑になったことで目的を達成した銭形は警察官を退職し、山寺の寺男になっているというあらすじが書かれている。実際にこのくだりは製作されたが、最終的にはカットされた。冒頭でルパンの検死報告が流れるシーンの背景が仏像なのは、この山寺のシーンに直結していたための名残である。この山寺のアイディアは、後に『ルパン三世 風魔一族の陰謀』に流用されている〔小黒祐一郎「アニメ様365日 第423回 ルパンマニアのための『風魔一族の陰謀』 」 WEBアニメスタイル 2010年8月5日〕。なお劇場用予告編にはカットされた山寺のシーンとルパン三世『TV第1シリーズ』第1話「ルパンは燃えているか・・・・?!」のシーンが一部使用されている。DVDの特典で没となった和尚や寺男デザインの銭形、本屋の親父と乞食姿の次元などの設定画がある。特報では『ルパン三世 パイロットフィルム(シネマスコープ版)』の映像が多用されている。 なお、脚本は大和屋竺と吉川惣司の連名であるが、実際は吉川一人の執筆である。打ち合わせは2人で重ねていたものの、吉川一人で書き上げたものが初稿としてプロデューサーに提出された。その後、吉川は大和屋に直しを打診したがそのままでいいと了解を得たため、吉川の大和屋への敬意から連名クレジットとなった〔『ルパン三世officialマガジン』vol.7、双葉社、2007年。吉川惣司インタビューより〕。 配給収入は9億1500万円で1979年公開の日本映画としては9位、キネマ旬報ベスト・テンでは26位だった〔『キネマ旬報ベスト・テン全史1946-1996』キネマ旬報社、1984年初版、1997年4版、po.224、237〕。双葉文庫の『ルパン三世カルト 2001』ではテレビシリーズ、劇場版、OVA、テレビスペシャルすべてを含めた面白さのランク付けで、本作は2位と評価されている(1位は『TV第1シリーズ』第2話「魔術師と呼ばれた男」)。 1999年11月19日に『金曜ロードショー』で放送された際は視聴率19.7%を記録。これは同作がテレビ放送された中で最も高い視聴率で、劇場版作品としては2位である〔『SUPER SURPRISE』 2010年2月8日(日本テレビ放送網)放送〕。 公開当時、本作は味の素ゼネラルフーヅ(AGF)とタイアップ契約を結んでいた。AGFはこの時、新製品「テレパッチ(日本初上陸の炭酸入りキャンディーで、後のドンパッチ。CMでナレーションを担当していたのはルパン役の声優、山田康雄だった)」を発売したばかりで、作中、ルパンがマモーに頭の中のイメージを映像化する装置を装着されるシーンでは、ルパンの頭の中の映像として、無数の女性のバストのコラージュや不二子のヌードなどとともに、ルパンがテレパッチを食べ、刺激を楽しんでいるカットが挿入されている(テレビ放送・過去の映像ソフトなどではこれらのカットはすべて削除されているが、LD、VHD、DVD、ブルーレイなどではノーカットのままで収録された)。 2007年には、本作の世界観をベースとした同一素体フィギュアのセット「ルパン三世対決セット」シリーズがミクロアクションシリーズとして発売される。一方は本人としてであり、もう一方はクローンという設定である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ルパン三世 ルパンVS複製人間」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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